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漆について

伝統にこだわらず、伝統を守り伝えたい。

失われつつある漆器文化

英語で『JAPAN』と言われるように、漆器は日本人を象徴する色であり、工芸品です。

400年あまりの歴史を誇り、重要文化財にも指定されている輪島塗。ですが近年では、使い捨て製品や輸入品の増加などにより生活スタイルが一変してしまい、全体的な売れ行きは年々減少傾向を辿っています。他にも『茶道文化の衰退』が大きく影響しているとも言われています。

輪島塗には現在、『地の粉を使用』『国産材の使用』『布着せ下地』など、いくつかある規定の基準を満たしたものだけが正式に輪島塗と名乗れる成約があります。

私はそこに、異論を唱えます。

確かに決められた輪島塗を守ることは大切ですが、このままでは長く受け継がれた文化そのものが消滅してしまうかも知れません。私のところへ来る依頼の多くは、「海外で日本をPRしたい」という方々です。しかも不思議とこれまで縁の遠かった他業種の方ばかり。客観的な視点で見ても、輪島塗の魅力は衰えていないことを証明してくれました。

そうして辿り着いた、ひとつの答え。

先人の優れた技術と知恵を、これまでにない新しい分野に活かすことで、伝統を守り伝えることもできるのではないかと。伝統を傷つけてしまうという声も少なくありませんが、私はそれもひとつの道だと考えています。

それが輪島塗という日本の美しい伝統を、後世に伝える手段だとも思っています。